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はいどうも。
linuxがちょっと面白くなってきたユールさんです。
2個目のHDDにインストールしようかな…マルチブートにすればいいかしらん?




『カモメ騎士団団員以外面会謝絶』

僕は部屋のドアノブにかけられたボードを見て、肩を竦めた。


一夜明けてここはナポリ6番商館。
あのあと、僕は商館へカモメ騎士団を呼びに行き、駆けつけた団員達がフォックスさんをウチの商館へと担ぎ込んだ。
タント堂からの説明では、彼は極秘任務を帯びて活動していたようで、この怪我もそれに関連するとの事。
それ以上は話したがらなかったので、僕も追求はしなかった。
薄情というなかれ、僕は己の本分は弁えているのだ。
騎士ともあろう者がここまでの手傷を負う…もし僕がそんなものに出会って、一体何ができる?
分不相応な物事に首を突っ込み、その首を括った航海者を何人も…何十人も見てきている。
「適度な無関心は寿命を長引かせるコツ」、そう首を括った一人が話していた。

とはいえ、このままのうのうと日々を過ごすのも落ち着かない。
自分にできることをする為に、僕はある場所へと足を運んだ。


「ふむ…今回も満足のいく出来だ。」

そう言って彼は服を侍女へと手渡す。
僕はその言葉に、ワイングラスを置いて軽く会釈した。

「恐れ入ります…フェデリーコ王。」

「彼」…フェデリーコは、このナポリ界隈を統べるナポリ国王だ。
この港町は勿論、近隣の集落の揉め事、厄介ごと、及び諸外国の脅威から王国を護るため、
日々執務室で執務に励んでいる。
しかし、そんな彼もまたナポリ人の例に漏れず、陽気で祭り好きな性質を持っていることを忘れてはならない。
王族にも拘らず気軽に航海者に面会し(僕もその一人だ)、彼らの語る冒険談に一時の平穏を得る。
また、無類の昆虫好きでもあり、時折お忍びで郊外に出ては虫取り網を振るう姿も見かけられるとか。
そんな彼に、僕は昨夜の出来事を話した(勿論極秘任務の事は隠して)。

「ふむ…つまり、更なる警備の強化を、という事だな?」
「左様でございます。可能でしょうか?」
「ふむ…。」

そう唸ると、フェデリーコは机に置かれていたガレットを一つつまんで口に入れる。
それは手土産として、僕が5番商館で購入しておいたものだった。
本来なら口にするはずもないところを、喜んで食べているところにも彼の人柄が見てとれた。

「結論から言うと、可能ではある。」
「本当ですか「ただし!」」
「ただし、過度な衛兵の増員はおいそれと行うわけにもいかん。
 あぁ、誤解せんでくれ。別に費用を渋るとかそういうわけではないのだ。
 ただ、あまりに衛兵が町に溢れると、お前もいい気持ちではなかろう?
 忍耐強い航海者のお前でもそうなのだ、町の人々はもっとそうだろう。
 警備を強化する代わり、何か娯楽の一つでも提供せん事には、なぁ…?」
「…なるほど。」

娯楽、ね…。彼が何を言いたいか理解できた。
さすがに小国とはいえ、一国を束ねる主だ。これはとんだ食わせ者じゃないか!
このまま腹黒い言葉の艦砲戦を繰り広げてもいいのだが…ま、ここは素直に行くとしよう。

「娯楽…それでは、祭などは如何でしょうか?」

その言葉に、フェデリーコはいかにもがっかりしたような表情を浮かべた。

「ユールクースよ…お前はもう少し言葉遊びの妙をだな…。」
「お生憎と、暇を持て余した王族に付き合っているほど、お人好しじゃありませんので。」
「むぅ…言いよるわ…。」

しばらく見合った後、僕たちは同時に吹き出した。
本来ならこんな口のきき方をすれば、即首が飛ぶ。比喩ではなく。
しかし、それが通用してしまうのがフェデリーコであった。
ナポリの国王は、国王である以上にナポリ人であったのだ。
ひとしきり笑いあった後、彼はソファーまで来ると向かいに腰掛け、身を乗り出した。

「で、どうなのだ? 祭はまだか?」


僕たちナポリに籍を置く商会は、不定期にではあるが連盟して大きな祭を開催している。
それは(自分で言うのもなんだが)大規模なもので、噂を聞きつけて遠くオセアニアからも見物客が訪れるほどだった。
当然、開催地のナポリは混乱の渦に巻き込まれる。
それを裏で取り締まっているのが…他でもないこのフェデリーコだ。
開催日は城中の衛兵という衛兵がすべて駆り出され、
無粋ないざこざが起きようものならすぐに駆けつけて対処してくれている。

「町の人々にもいい娯楽になるし、衛兵も任務の傍ら楽しんでいるようだ。」
「それは何よりです。」
「何より、余が楽しみでしょうがない!」

そう言ってカラカラと笑うフェデリーコに、僕は苦笑を返すしかなかった。
彼に似た姿を祭の会場で見かけた、という話を以前聞いたが、与太ではなかったか…。

「まぁ、開催する方向で善処します。」
「何だ、その煮え切らない返答は…。」
「まぁその、私の一存でどうにかなるものではありませんので…申し訳ありません。」
「しかたないな…余も無茶を言った。」

そう言って立ち上がるが、すぐにその顔は明るいものに変わる。

「しかし、前向きに善処はするのだな?」
「はい、それは勿論。私どもにとっても重要な楽しみの一つですので。」
「うむ、今はその言葉でよしとしよう!」


「よかろう、警備の強化を行おうではないか!」



今回登場してもらったのは、NPCから国王フェデリーコ様でした。
いつもマラソンのお相手ばかりで不憫な国王様、ちょっと活躍ですよ!
…はい、調子に乗ってスンマセン。
そんな元ネタはこちらから!
僕自身は優勝争いからめっきり遠ざかり、今はもう気楽なもんですハイ。
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|01-28|大航海のヨタ話コメント(2)TOP↑
この記事にコメント
なん・・・だと・・・

フェデリーゴいい王様やないか・・・!

というわけで意外な登場人物に驚愕しつつ、第六話の原稿もいただいていくじゃよ~。
あと、ペギソブログの方に今後のスケジュールUPしておいたのでのう。表彰式には是非きてくれじゃよ!
From: ペギソ * 2009/01/28 00:53 * URL * [Edit] *  top↑
う、国王陛下いい人だ・・・。
やばい、首が飛びそうな感じで書いたw
これも少し修正箇所に追加しよう・・・^^;
ユールさんの普段のお仕事風景が見られるのもいいなw
From: リア * 2009/01/28 22:28 * URL * [Edit] *  top↑
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ユールクース

Author:ユールクース
大航海時代オンラインはZephyrosサーバーでふ~らふら。
天下御免のお針子野郎ここに極まれり。
最近ナポリ近海でよく見かけるとか見かけないとか。

ナポリ木曜市協賛店舗

ユール縫製店/ワタクシことユール
お食事処ペギソハット/ペギソ
五香粉酒家/コリナ
フェルディナン海上運輸/逝けメン様


詳しくはこちらを参照のこと

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