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はいどうも。
ユスティニアさん、小説完結お疲れ様でした。
これでコラボ系の御三家が走り終わったわけですね。大変楽しませていただきました。



まだ空気もいささかの冷たさを残す朝。
ナポリの港からは、三々五々船が出港を開始していた。
麻雀大会の閉会式が終わり、雪崩れ式に大宴会に突入したのが昨夜。
そこからたった一晩にもかかわらず、航海者達はすぐに次の目的へと旅立っていく。
そんな中、港の桟橋に腰かけ、釣り糸を垂らす男が一人。
ユールクースは港を出て行かんとする船を見ながら、釣りに興じていた。

「…これでカモメの連中は全員出航したね。いやぁ元気な事。」
「釣れてるかしら?」

後ろからかけられたその言葉にユールクースが顔を向けると、そこにはコリナが籠片手に立っていた。
無言のまま彼が指し示す先を見ると、桟橋には大量のフグ。無論毒魚である。


「都会でのバカンスは終了?」
「都会の人ごみにも飽きちゃってね…。田舎が懐かしくなって昨日戻ってきたわ。」
「ん。」

そう言いながらコリナはユールクースの隣に腰を下ろそう…とする前に、
ユールクースがどこからか取り出した布を下に敷く。
その気遣いに笑みを浮かべ、彼女は改めて隣に腰を下ろした。
そして、籠からパンとミルクの瓶を取り出しユールクースに勧める。

「朝飯まだだったんだ、ありがと。」
「どういたしまして。」

それから少しの間は、双方口を開くことなくパンを食べ続けた。
空にはカモメが飛び、港にもぽつぽつと人が現れ始めている。
やがて、パンを頬張るユールクースを横目に見ながら、コリナは口を開いた。

「聞いたわよ…また無駄遣いしたんですって?」
「ん、何が?」
「何が? じゃないわよ…真刀が見せてくれたわ。」
「あぁ、アレの事ね。大した物じゃないって、どこでも見かける物さ」

その言葉に肩を落とし、溜め息をつくコリナ。
彼女が何を言わんとしているか理解していて、その上で話をはぐらかそうとしているようだ。
埒が明かないと判断した彼女は逃れ様の無い言葉を選んだ。

「だからってねぇ…関係者全員分の免罪符だなんて…。」


免罪符…罪を告白し、教会に寄付をする事によって司祭の手から手渡される割符。
手にする事によって、犯してしまった罪の贖罪を減らす事ができる…いわば金で罪を贖った証である。
無論、金で許しを請うというその在り方に賛否両論あるが、現在それが効力を示している事は事実であった。
ユールクースは、それを麻雀大会の参加者は勿論、関係していたであろう全員分手に入れてきていたのだ。
しかも、罪状は『禁制の遊戯に手を染めてしまった罪』。
今回の件に関してうってつけ…というか、今回の件にしか通用しない免罪符だ。
それは既に、昨晩のうちにJealousBeatの手から関係者全員に手渡されている。

「ま、アレ一つで今回の件が帳消しとはならないだろうけどさ。少しはマシなんじゃないかな。」
「はぁ…。で、あれにいくらつぎ込んだの?」
「ん~…そうだな、ざっと2千万ドゥカートくらい?」
「…かける言葉がないとはこの事だわ。」

盛大な溜め息をつくコリナを見ながら、ユールクースは快活な笑い声を上げる。
生来の職人気質のせいか、金銭欲が希薄な弟分に、彼女は日々頭を悩ませていた。
だが、それが悪い方向に転がる事は、全くと言っていいほど無い。
今回も過程はどうであれ、丸く収まったと言っていいだろう…。

「アンタね、貯金ちゃんと残ってる?」
「ん? いや全然残ってないよ。」
「ちょ…! 大丈夫、何なら貸すわよ?」
「ん~ん、平気平気。すぐに元通りになるさ。それに、金は使うためにあるんだからね。」
「全くもう…言ってなさい。」


話をしているうちに、大会に参加していた者の最後の1隻が港を出て行く。
その姿が遠くなり、水平線に黒い影となるまで、二人は無言で見送っていた。

「さぁて…。僕も航海に出ないとな。」
「あら。しばらくは腰を落ち着けるかと思ってたのに。」
「一昨日まではそのつもりだったんだけどね。
 あーぁ、港湾管理局に船の管理を委任する書類まで書いたのに、無駄になっちゃった。」
「それじゃ入れ違いね。私はしばらくナポリで小料理屋よ。」
「ん、食べに行くよ。」
「うん。それで、行き先は?」

コリナがそう問いかけた時、不意に釣竿の先が揺れる。
その瞬間ユールクースが立ち上がって、竿を一気に引き揚げた。
そこには…

「…。」
「地図の…切れ端ね。」

釣り針の先にぶら下がっていたのは、擦り切れて半分ほどになった地図の切れ端だった。
二人は顔を見合わせたが、やがて苦笑を浮かべた。

「そうだな…行き先は、この地図にでも聞いてみようかな?」
「全く…アンタ馬鹿だわ。」

その言葉に、ユールクースは笑顔を浮かべて口を開いた。


「ただの馬鹿じゃないよ。馬鹿で陽気なナポリ人さ!」



終わりました。お疲れ様でした。
最後に登場してもらったのはコリたんことコリナちゃ~ん。コリナちゃ~ん。
大事な事なので二回言いました。
ナポリの人々にはドン・コリナのほうが馴染み深いのかしら?

正直なところ、始めた頃はこんな終わりに落ち着くとは思ってもいませんでした。
それがあれよあれよという間にこんな感じに。ちょっとユールクースが暗躍しすぎですね。
もっとこう、対岸の火事を見る風なストーリーにしたかったのですが。力不足ですな。

あとはアレ。ナポリを生き生きと表現したかったのが一番の目的。
普段は何気なく走りすぎてる広場なんかも、実際は活気溢れてるんだよ~とか。
NPCも人間味溢れてるんだよ~、とかね。
どうですかね、表現できてましたかね。

ま、とりあえずこれで一連の小説は終了です。
また気が向いたら、何か書くかもしれませんので、その時はまたよろしうに。
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|01-30|大航海のヨタ話コメント(3)TOP↑
この記事にコメント
おお、ユールさんも小説お疲れ様でした^^

私たちが無事帰れたのはユールさんのおかげだったんですね♪

う、なんかそういうネタを聞いちゃうとそれを元になんか書き足したくなるぞwww
From: J.フォックス * 2009/01/31 00:49 * URL * [Edit] *  top↑
綺麗な落ちだ・・・。
普通になにかなと考えておったよw

最終回まで完走、お疲れ様でした。ありがとう!

この原稿ももらっていくじゃよ、ユール先生の次回作に期待!
From: ペギソ * 2009/01/31 01:11 * URL * [Edit] *  top↑
ユール先生もおつです!
免罪符とは気付けなかった><
この組み方すごいな~。
From: リア * 2009/01/31 21:14 * URL * [Edit] *  top↑
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プロフィール

ユールクース

Author:ユールクース
大航海時代オンラインはZephyrosサーバーでふ~らふら。
天下御免のお針子野郎ここに極まれり。
最近ナポリ近海でよく見かけるとか見かけないとか。

ナポリ木曜市協賛店舗

ユール縫製店/ワタクシことユール
お食事処ペギソハット/ペギソ
五香粉酒家/コリナ
フェルディナン海上運輸/逝けメン様


詳しくはこちらを参照のこと

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