上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

|-----|スポンサー広告||TOP↑
はいどうも。
ユスティニアさん、小説完結お疲れ様でした。
これでコラボ系の御三家が走り終わったわけですね。大変楽しませていただきました。



まだ空気もいささかの冷たさを残す朝。
ナポリの港からは、三々五々船が出港を開始していた。
麻雀大会の閉会式が終わり、雪崩れ式に大宴会に突入したのが昨夜。
そこからたった一晩にもかかわらず、航海者達はすぐに次の目的へと旅立っていく。
そんな中、港の桟橋に腰かけ、釣り糸を垂らす男が一人。
ユールクースは港を出て行かんとする船を見ながら、釣りに興じていた。

「…これでカモメの連中は全員出航したね。いやぁ元気な事。」
「釣れてるかしら?」

後ろからかけられたその言葉にユールクースが顔を向けると、そこにはコリナが籠片手に立っていた。
無言のまま彼が指し示す先を見ると、桟橋には大量のフグ。無論毒魚である。


「都会でのバカンスは終了?」
「都会の人ごみにも飽きちゃってね…。田舎が懐かしくなって昨日戻ってきたわ。」
「ん。」

そう言いながらコリナはユールクースの隣に腰を下ろそう…とする前に、
ユールクースがどこからか取り出した布を下に敷く。
その気遣いに笑みを浮かべ、彼女は改めて隣に腰を下ろした。
そして、籠からパンとミルクの瓶を取り出しユールクースに勧める。

「朝飯まだだったんだ、ありがと。」
「どういたしまして。」

それから少しの間は、双方口を開くことなくパンを食べ続けた。
空にはカモメが飛び、港にもぽつぽつと人が現れ始めている。
やがて、パンを頬張るユールクースを横目に見ながら、コリナは口を開いた。

「聞いたわよ…また無駄遣いしたんですって?」
「ん、何が?」
「何が? じゃないわよ…真刀が見せてくれたわ。」
「あぁ、アレの事ね。大した物じゃないって、どこでも見かける物さ」

その言葉に肩を落とし、溜め息をつくコリナ。
彼女が何を言わんとしているか理解していて、その上で話をはぐらかそうとしているようだ。
埒が明かないと判断した彼女は逃れ様の無い言葉を選んだ。

「だからってねぇ…関係者全員分の免罪符だなんて…。」


免罪符…罪を告白し、教会に寄付をする事によって司祭の手から手渡される割符。
手にする事によって、犯してしまった罪の贖罪を減らす事ができる…いわば金で罪を贖った証である。
無論、金で許しを請うというその在り方に賛否両論あるが、現在それが効力を示している事は事実であった。
ユールクースは、それを麻雀大会の参加者は勿論、関係していたであろう全員分手に入れてきていたのだ。
しかも、罪状は『禁制の遊戯に手を染めてしまった罪』。
今回の件に関してうってつけ…というか、今回の件にしか通用しない免罪符だ。
それは既に、昨晩のうちにJealousBeatの手から関係者全員に手渡されている。

「ま、アレ一つで今回の件が帳消しとはならないだろうけどさ。少しはマシなんじゃないかな。」
「はぁ…。で、あれにいくらつぎ込んだの?」
「ん~…そうだな、ざっと2千万ドゥカートくらい?」
「…かける言葉がないとはこの事だわ。」

盛大な溜め息をつくコリナを見ながら、ユールクースは快活な笑い声を上げる。
生来の職人気質のせいか、金銭欲が希薄な弟分に、彼女は日々頭を悩ませていた。
だが、それが悪い方向に転がる事は、全くと言っていいほど無い。
今回も過程はどうであれ、丸く収まったと言っていいだろう…。

「アンタね、貯金ちゃんと残ってる?」
「ん? いや全然残ってないよ。」
「ちょ…! 大丈夫、何なら貸すわよ?」
「ん~ん、平気平気。すぐに元通りになるさ。それに、金は使うためにあるんだからね。」
「全くもう…言ってなさい。」


話をしているうちに、大会に参加していた者の最後の1隻が港を出て行く。
その姿が遠くなり、水平線に黒い影となるまで、二人は無言で見送っていた。

「さぁて…。僕も航海に出ないとな。」
「あら。しばらくは腰を落ち着けるかと思ってたのに。」
「一昨日まではそのつもりだったんだけどね。
 あーぁ、港湾管理局に船の管理を委任する書類まで書いたのに、無駄になっちゃった。」
「それじゃ入れ違いね。私はしばらくナポリで小料理屋よ。」
「ん、食べに行くよ。」
「うん。それで、行き先は?」

コリナがそう問いかけた時、不意に釣竿の先が揺れる。
その瞬間ユールクースが立ち上がって、竿を一気に引き揚げた。
そこには…

「…。」
「地図の…切れ端ね。」

釣り針の先にぶら下がっていたのは、擦り切れて半分ほどになった地図の切れ端だった。
二人は顔を見合わせたが、やがて苦笑を浮かべた。

「そうだな…行き先は、この地図にでも聞いてみようかな?」
「全く…アンタ馬鹿だわ。」

その言葉に、ユールクースは笑顔を浮かべて口を開いた。


「ただの馬鹿じゃないよ。馬鹿で陽気なナポリ人さ!」



終わりました。お疲れ様でした。
最後に登場してもらったのはコリたんことコリナちゃ~ん。コリナちゃ~ん。
大事な事なので二回言いました。
ナポリの人々にはドン・コリナのほうが馴染み深いのかしら?

正直なところ、始めた頃はこんな終わりに落ち着くとは思ってもいませんでした。
それがあれよあれよという間にこんな感じに。ちょっとユールクースが暗躍しすぎですね。
もっとこう、対岸の火事を見る風なストーリーにしたかったのですが。力不足ですな。

あとはアレ。ナポリを生き生きと表現したかったのが一番の目的。
普段は何気なく走りすぎてる広場なんかも、実際は活気溢れてるんだよ~とか。
NPCも人間味溢れてるんだよ~、とかね。
どうですかね、表現できてましたかね。

ま、とりあえずこれで一連の小説は終了です。
また気が向いたら、何か書くかもしれませんので、その時はまたよろしうに。
|01-30|大航海のヨタ話コメント(3)TOP↑
はいどうも。
ヴェネツィアのおキツネ様、リアさん小説完結お疲れ様です。
僕のほうも完結の目処がついてきたので、残りあと少し走りきります。



「しかし…予想以上に厄介な事してたんだな、あいつらは…。」

そうぼやく僕に、管理局の局員は胡散臭げな表情を向ける。
そんな彼に笑顔を向け、僕は書類にペンを走らせた。
ナポリに籍を置く商会全てが世話になっている、商会管理局。
僕はそこで商会の諸事務処理を行いながら、執務室で聞いた話を思い出していた。


「時にユールクースよ…お前達は今何かしておらんか?」
「えぇ、まぁ。ちょっとしたお遊びを。」

そう答える僕に、フェデリーコは溜め息をついた。

「麻雀…という遊戯を行っておるそうだな?」
「よく御存知で。確かに行っておりますが。」
「…その遊戯は、我がナポリでは違法だ。」
「え?」

耳を疑う僕を見て、「やはり知らなんだか」と呟き彼は続けた。

「麻雀が東方から伝来した遊戯というのは知っておろう。
 東方…即ち異教の文化、というわけだ。教会の司祭達は、それが気に食わんのよ。
 イエス・キリストの光降り注ぐ神聖なるヨーロッパで、異教の遊戯を堂々と行うとは何事か、とな。」
「はぁ…しかし違法とは…全くの初耳でした。」
「余も多少は多めに見ても良かろうと思っているのだがな…。
 幕僚の中に、敬虔なキリスト教信者が居って、そいつが五月蝿いのだよ。」
「まぁ、羽目を外すのも程々にするのだぞ。お前達を牢に繋ぐなどしとうない。」


「と、なると…だ。」

次に取る行動は決まったな。
僕は必要なものを得る為、まず銀行へと足を運ぶ事にした。


「よっ、やってる?」
「お、ユールの旦那! いらっしゃいじゃよ!」

赤々とした夕日もその姿を隠そうかとする頃、僕は5番商館の扉を叩いた。
中はいよいよ夕飯時という事で、大勢の店員が忙しげに走り回っている。
そんな中でも店長のJealousBeatは目敏く僕を見つけ、親しげな笑みを浮かべつつ近寄ってきた。

「珍しいのう、こんな時間にウチに来るとは。」
「んん、たまには外食でもと思ってね…。」
「大歓迎じゃよ! ささ、席に案内するじゃよ。」

言われるがままにテーブルに案内してもらい、席に着く。
壁際に設えられた一人掛けの角テーブルだが、ちょうど窓が開いているので、狭苦しさはかけらも感じられない。
テーブルクロスはきちんと洗われて真っ白で、その上には一輪挿しの赤い花が飾られていた。
席に案内し終え、背中を向けた彼女に僕は声をかけた。

「あぁそうだ、今日は土産があるんだよ。」
「土産? ユールの旦那にしては珍しいのう…明日は雹でも降るかのう?」
「僕を何だと思ってるんだ…。」
「ククク…さぁのう?」

そう言いながら僕の差し出した麻袋を受け取るJealousBeat。
「開けていいかのう?」と言いながら、返事を待つことなく袋の口を開けていた。
…が、その目がはっと見開かれた。
かと思ったら、次には俯いたまま肩を震わせている…笑ってるな。
その様子をどこかで見ていたのか、怪訝に思ったヴォルペ・ビアンカも近づいてきた。

「どうかしましたか。」
「ビアンカか…これを見るじゃよ…ククク」
「…これは!」

僕のほうを見るビアンカ、それに対して僕は軽く肩をすくめた。

「ま、備えあれば憂いなし…ってね。」
「そうですか…クックック…。」
「ククク…旦那、今日はウチの奢りじゃよ! 好きな物をたらふく食っていくがいいじゃよ!」
「その言葉を待ってました!!」


その晩は大いに食べ、大いに飲んだ。
途中で無関係の人も巻き込んだ気がするんだが…覚えてない。
まぁ、それもまたナポリの日常だろうさ!



いよいよ物語も佳境になってまいりました…というか、次で終わりね。
相変わらず無駄に奔走しているユールさんですが、ペギに渡したものとはいったい?
そして全く描かれていない麻雀大会本編はどうなっているのか?
全てが次回、明らかに!!

そんな小説の元ネタはこちらから。
…今更ながら、小説じゃなくてSSとか言うと今どきっぽいな、とかちょっと思ったり。
あふたー・ざ・かーにばる~。
|01-29|大航海のヨタ話コメント(1)TOP↑
はいどうも。
linuxがちょっと面白くなってきたユールさんです。
2個目のHDDにインストールしようかな…マルチブートにすればいいかしらん?




『カモメ騎士団団員以外面会謝絶』

僕は部屋のドアノブにかけられたボードを見て、肩を竦めた。


一夜明けてここはナポリ6番商館。
あのあと、僕は商館へカモメ騎士団を呼びに行き、駆けつけた団員達がフォックスさんをウチの商館へと担ぎ込んだ。
タント堂からの説明では、彼は極秘任務を帯びて活動していたようで、この怪我もそれに関連するとの事。
それ以上は話したがらなかったので、僕も追求はしなかった。
薄情というなかれ、僕は己の本分は弁えているのだ。
騎士ともあろう者がここまでの手傷を負う…もし僕がそんなものに出会って、一体何ができる?
分不相応な物事に首を突っ込み、その首を括った航海者を何人も…何十人も見てきている。
「適度な無関心は寿命を長引かせるコツ」、そう首を括った一人が話していた。

とはいえ、このままのうのうと日々を過ごすのも落ち着かない。
自分にできることをする為に、僕はある場所へと足を運んだ。


「ふむ…今回も満足のいく出来だ。」

そう言って彼は服を侍女へと手渡す。
僕はその言葉に、ワイングラスを置いて軽く会釈した。

「恐れ入ります…フェデリーコ王。」

「彼」…フェデリーコは、このナポリ界隈を統べるナポリ国王だ。
この港町は勿論、近隣の集落の揉め事、厄介ごと、及び諸外国の脅威から王国を護るため、
日々執務室で執務に励んでいる。
しかし、そんな彼もまたナポリ人の例に漏れず、陽気で祭り好きな性質を持っていることを忘れてはならない。
王族にも拘らず気軽に航海者に面会し(僕もその一人だ)、彼らの語る冒険談に一時の平穏を得る。
また、無類の昆虫好きでもあり、時折お忍びで郊外に出ては虫取り網を振るう姿も見かけられるとか。
そんな彼に、僕は昨夜の出来事を話した(勿論極秘任務の事は隠して)。

「ふむ…つまり、更なる警備の強化を、という事だな?」
「左様でございます。可能でしょうか?」
「ふむ…。」

そう唸ると、フェデリーコは机に置かれていたガレットを一つつまんで口に入れる。
それは手土産として、僕が5番商館で購入しておいたものだった。
本来なら口にするはずもないところを、喜んで食べているところにも彼の人柄が見てとれた。

「結論から言うと、可能ではある。」
「本当ですか「ただし!」」
「ただし、過度な衛兵の増員はおいそれと行うわけにもいかん。
 あぁ、誤解せんでくれ。別に費用を渋るとかそういうわけではないのだ。
 ただ、あまりに衛兵が町に溢れると、お前もいい気持ちではなかろう?
 忍耐強い航海者のお前でもそうなのだ、町の人々はもっとそうだろう。
 警備を強化する代わり、何か娯楽の一つでも提供せん事には、なぁ…?」
「…なるほど。」

娯楽、ね…。彼が何を言いたいか理解できた。
さすがに小国とはいえ、一国を束ねる主だ。これはとんだ食わせ者じゃないか!
このまま腹黒い言葉の艦砲戦を繰り広げてもいいのだが…ま、ここは素直に行くとしよう。

「娯楽…それでは、祭などは如何でしょうか?」

その言葉に、フェデリーコはいかにもがっかりしたような表情を浮かべた。

「ユールクースよ…お前はもう少し言葉遊びの妙をだな…。」
「お生憎と、暇を持て余した王族に付き合っているほど、お人好しじゃありませんので。」
「むぅ…言いよるわ…。」

しばらく見合った後、僕たちは同時に吹き出した。
本来ならこんな口のきき方をすれば、即首が飛ぶ。比喩ではなく。
しかし、それが通用してしまうのがフェデリーコであった。
ナポリの国王は、国王である以上にナポリ人であったのだ。
ひとしきり笑いあった後、彼はソファーまで来ると向かいに腰掛け、身を乗り出した。

「で、どうなのだ? 祭はまだか?」


僕たちナポリに籍を置く商会は、不定期にではあるが連盟して大きな祭を開催している。
それは(自分で言うのもなんだが)大規模なもので、噂を聞きつけて遠くオセアニアからも見物客が訪れるほどだった。
当然、開催地のナポリは混乱の渦に巻き込まれる。
それを裏で取り締まっているのが…他でもないこのフェデリーコだ。
開催日は城中の衛兵という衛兵がすべて駆り出され、
無粋ないざこざが起きようものならすぐに駆けつけて対処してくれている。

「町の人々にもいい娯楽になるし、衛兵も任務の傍ら楽しんでいるようだ。」
「それは何よりです。」
「何より、余が楽しみでしょうがない!」

そう言ってカラカラと笑うフェデリーコに、僕は苦笑を返すしかなかった。
彼に似た姿を祭の会場で見かけた、という話を以前聞いたが、与太ではなかったか…。

「まぁ、開催する方向で善処します。」
「何だ、その煮え切らない返答は…。」
「まぁその、私の一存でどうにかなるものではありませんので…申し訳ありません。」
「しかたないな…余も無茶を言った。」

そう言って立ち上がるが、すぐにその顔は明るいものに変わる。

「しかし、前向きに善処はするのだな?」
「はい、それは勿論。私どもにとっても重要な楽しみの一つですので。」
「うむ、今はその言葉でよしとしよう!」


「よかろう、警備の強化を行おうではないか!」



今回登場してもらったのは、NPCから国王フェデリーコ様でした。
いつもマラソンのお相手ばかりで不憫な国王様、ちょっと活躍ですよ!
…はい、調子に乗ってスンマセン。
そんな元ネタはこちらから!
僕自身は優勝争いからめっきり遠ざかり、今はもう気楽なもんですハイ。
|01-28|大航海のヨタ話コメント(2)TOP↑
はいどうも。
ネタ切れ感が否めないユールさんですよ。
思いつくからと調子に乗って書き過ぎたんですね、わかります。



「へぇ…修道院が火事ねぇ…。」

思わずそんな言葉が口をついで出た。


ナポリの気候はいつも概ね安定して晴れている。
暖かな日差しに乾いた空気、それからちょっとだけする潮の香り。
イタリア南部に位置するナポリ王国は、その気候のせいか陽気な人の多い事で知られる。
通りを行き交う人々は、暗い顔をしている者など一人もいない。
子供達は所狭しと走り回り、母親は仕事の邪魔をするなとそれを叱り飛ばす。
南をオスマンの脅威に晒されていても、それにめげる事無く日々を精一杯生きていた。

そんなナポリの中央に位置する広場の食堂には、テラス席が設けられている。
僕はそこで紅茶を飲みながら、隣のお喋りに耳を傾けていた。
何でも、ナポリ近郊に居を構えていたとある修道院が火事に遭い、そっくり焼け落ちてしまったそうだ。
どうも失火の疑いが濃いらしい。
幸い修道士たちは手遅れになる前に避難する事ができ、大事には至らなかったらしいが…。

「ま、逃げる場所があって結構な事じゃないか。海の上だと逃げ場なんてどこにもないし。」
「そーだな、火を消さん事には俺達全員焼け死にだ。マフィンもらうぜ。」
「あ! …あーぁ。」

言うが早いか、最後に一つ残しておいたマフィンは真刀の口の中へと消えていった。
じっくりと味わうかのように咀嚼する真刀を、僕は恨めしそうに睨みつけた。

「お早いお目覚めだね、まだ昼前だよ…。」
「おいおい、嫌味は止せよ。付き合ってる余裕はないぜ?」
「ん。昼は? 僕今から食べるけど。」
「悪いな、奢りとは。」

そう言って隣の椅子にどっかりと腰を掛ける。
そんな彼に苦笑しながら、僕は追加のピッツァと鯖のフリット、あとサラダとワインを頼むため腰を上げた。


「ふー、食った食った。」
「ちゃんとマルコの親父さんにお礼言っときなよ? 随分と大盛りにしてくれたんだから。」
「わぁかってるって。ありがとな!!」
「おうよ! 兄ちゃんはいつもたらふく食ってくれるからな、こっちも気持ちがいいってもんだ!」

そう言ってカラカラと笑うマルコの親父さんは、この食堂の名物シェフだ。
豪快極まりないその料理は、本人の豪胆さも相まってか男性に人気だ。
普段なら肉体労働に従事する男達が溢れかえるこの食堂なのだが…今日は女性客が多い。
そして、その女性陣は皆一様にある一点を覗き見ている…真刀を。

そう、彼は非常に外見に恵まれている。
すらっと伸びた足、整った容貌、付き過ぎずなさ過ぎない筋肉。
その気は一切ない僕から見ても、かっこいいとは思う。
おまけに性格も悪くなく(いいとは言わない、ちょっとくらい対抗させてくれ)、男女問わずその人気は高い。
だが、そんな彼は…

「麻雀はイマイチなのでした…。」
「今、何か言ったか?」
「イヤ何モ?」


結局、そのあとすぐ真刀は商館へと引き揚げ(まだ眠いらしい)、
僕はといえば、夕方頃までテラスで縫い物に興じていた。
時折通りがかる主婦から質問を受けては答えたり、荷運びの兄さんに繕い物を頼まれたりで、
思ったほど捗らなかったけど…たまにはそんな一日も悪くない。
手間賃として魚介や果物ももらったし、秘書に渡して食材にしてもらおう。
そんな事を思いながら商館へと歩みを進めて、暗い小路を通り抜けようとしたその時。
目の前に立つ影に足を止めた。

「誰だ…物盗りか?」

腰に差している1フィートほどの短刀に手をかけ、暗闇にそう問いかける。
(勘違いしてもらいたくないが、一般人との余計ないざこざを避けるために持っているんだ。
決して振るいたいから手をかけているわけじゃない。)
しかし、影は動く気配を見せない。
頬を冷や汗が伝う…。
相手の出方を窺っていると、不意に影が揺らぎ、その姿を消した。

「な…今のは…何だったんだ…?」
「う、うぅ…」
「!?」

ちょうど影が立っていた辺りからうめき声が聞こえる!
そちらへ駆け寄ると、そこには…!


「カモメ騎士団の…フォックスさん、しっかり!!」



今回登場していただいたのは、ウチからまかっちこと真刀、カモメ騎士団からJ・フォックスさんでした。
まかっちのほうは至極和やかな麻雀体験記なので和やかに、
カモメのおキツネ様のほうは見事に返り討ちに遭った所を拾ってみましたよ。
お二人とも麻雀大会に関連した小説を書いてるので、サイトに飛んで見てみよう!
ってここに来る連中は既に見てるわな(笑)
そんな麻雀大会の元ネタはこちらから
いよいよ大会も後半戦突入、にも拘らずまだ参加者が増えるのは何故なんだぜ?(笑)
|01-23|大航海のヨタ話コメント(3)TOP↑
はいどうも。
大丈夫、ユールさん引き際ちゃんとわきまえてるから。堺正章並にわきまえてるから。
あのときき~みは~ばかだ~った~♪



伝書鳩攻撃から更に数日が経過していた。
あの攻勢が効いたのか、その後僕は順調に順位を落とし、優勝争いから確実に離れる事が出来た。

「変に気負う事もなくなったし、さぁてこれで気楽に打てるね~♪」

鼻歌を歌いながら、青果店で詰めて貰った麻袋からプルーンを取り出し、齧る。
商館の秘書に頼まれた買い物だけど、それ以外にも自分の好きな物を買い漁っている。
通り突き当りのドミニコの店は、いつも新鮮な野菜や果物が店先に並べられていて、僕のお気に入りだ。
そうこうしているうちに商館の前まで辿り着いたのだが、そこには客人がいた。

「あれは…木曜市の常連のねむきちゃんか。」
「…ジー…」

そう、そこには木曜市によく顔を出すねむきがいた。だが、どうも様子がおかしい。
6番商館の脇に植えられている木に隠れるようにして、隣の5番商館の様子を窺っている。
声をかけたものかどうしたものか…。
そう考えていると、彼女は意を決したかのように頷いたあと、5番商館の中へと入っていった。
一人残された僕は頬を掻くばかり。

「…ま、いっか。」


「戻ったよ。」
「おかえりなさいませユールクース様。買い出しなんて頼んでしまって申し訳ありません。」
「別にいいよ。どうせ僕も買い物があったんだ、ついでついで!」
「ユールどんユールどん、ワシの頼んでおったバゲットはあったかい?」
「…。」

その言葉にこめかみをヒクつかせながら振り返る。
そこには小首を傾げたタント=カセーグが立っていた。
それだけじゃない、他にもカモメ騎士団の団員が何人も、思い思いに部屋の中でたむろしている。

「…いつからここはカモメ騎士団の駐屯所になったんだっけ?」
「ユールクース様、そのような物言いは…。」
「堅い事言うなよユールどん~! ワシとユールどんの仲ジャマイカ!」

プチーン。僕の中で何かがブッチリと切れる音がした。
いや、実際切れていたのかもしれない。カモメの団員も何の音かと周りを見渡している。

「へぇ…僕とタント堂の仲ねぇ…?」
「ユ、ユールどん? どうした怖い顔して…?」

その言葉に何の反応も示さず、僕はゆっくりとタント=カセーグに歩み寄っていく。
頭一つ僕のほうが小さいが、そのただならぬふいんき(何故か変換でry)に、彼は思わず後ずさっていく。

「その仲っていうのはアレかい? 毎晩毎晩朝まで麻雀を打って、そのままここに来て泥の様に眠る事かい?」
「ユールどん…ちょっと顔が近いな~って…。」
「それともアレかい? 午後遅くになって起きだしてきたかと思ったら、何をするでもなくただゴロゴロしてる事かい?」
「ユールどん…そう掴まれるとワシの服の襟が伸びて…!!」
それとも!! さも当然の如くウチでタダ飯を食らって、その挙句僕が足りなくなった食材を買い出しに行ったことかい!?」
「ゆゆゆゆーるどん!? その竹箒は何!?」
「知れた事…、大掃除だ!!」

言うが早いか、手に持った竹箒でそこら中を掃除しまくる。勿論色々な意味で。

「痛い痛い! その竹箒痛すぎる!!」
「柄に鉄芯仕込んでる!!!」
「 ま さ に ユ ー ル !」

ウチの商会長であるコリナが滞在を許可したらしいが…もう我慢の限界だ。
お前ら…お前ら…!


「居候ならもっと居候らしくしろォ~!!!!!」



ふっはっはっは…ト堂、悪かった(笑)
というわけで、今回出演してもらったのはねむきちゃんと、カモメ騎士団のタント堂でした。
ねむきちゃんがペギソハットに潜入したのがいつなのか分からないけど、まぁそれを目撃したという事で(笑)
あとト堂他はカモメのおキツネ様がウチに泊まらせてたので、ありがたくいただきました。
この流れだと、次あたりおキツネ様の出番かな?
口調把握してないのでちょと難しいれす><;
|01-22|大航海のヨタ話コメント(3)TOP↑

プロフィール

ユールクース

Author:ユールクース
大航海時代オンラインはZephyrosサーバーでふ~らふら。
天下御免のお針子野郎ここに極まれり。
最近ナポリ近海でよく見かけるとか見かけないとか。

ナポリ木曜市協賛店舗

ユール縫製店/ワタクシことユール
お食事処ペギソハット/ペギソ
五香粉酒家/コリナ
フェルディナン海上運輸/逝けメン様


詳しくはこちらを参照のこと

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近の記事

最近のコメント

リンク

カテゴリー

まぁ色々とごっちゃりと

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。